爺 追憶の谿々と岩魚達
追憶の谿々と岩魚達
秩父山隗の地図に記された細い水線や縊れた山襞を見ては“どんな処だろう、原生の中に素晴らしい桃源郷が在るやも知れぬ、そして赤い岩魚達は棲むのか・・・”。と
テンカラ竿一本を背負って辿り巡ってみました。
いやはや・・・ いろいろなことがありました。それは、二昔も三昔も前の、いやもっと前のことの風景なのですが。
古への大除沢へ・・・ | 荒川水系 大除沢 | 昭和61年(1986) 初秋 | ・古の大除沢は、渓相は・・・ 岩魚達は・・・ | |
燕の滝太郎に貫録負けした・・・ | 滝川水系 豆焼沢 | 平成 3年(1991) 夏 | ・その滝壺の碧湛で奴に棒毛鉤を喰わせたのだが・・・ | |
釣り師と釣り人 | 平成 4年(1992) 晩秋 | ・“自然に溶け込む釣り人にならなければならない・・・” | ||
秩父の谿風に吹かれて・・・ | 大洞川水系 大洞林道支線 | 平成 5年(1993) 初夏 | ・谿から吹き上がる風に乗り、轟々と谿の瀑声が聞こえて来る・・・ | |
百間橋は四つん這って渡る・・・ | 安谷川水系 川浦谷杣道 | 平成 5年(1993) 夏 | ・震え震えて木桟橋を渡り行く先・・・ | |
面蔵の瀑を見に行く・・・其の一 | 滝川水系 水晶谷 | 平成 6年(1994) 夏 | ・工事最中の国道140から釣橋小屋を経て古礼沢出合いへ・・・ | |
面蔵の瀑を見に行く・・・其の二 | 滝川水系 水晶谷 | 平成 6年(1994) 夏 | ・渓中に幕し、水晶谷源流の瀑へ・・・ | |
泣く泣く大洞林道を帰る・・・ | 大洞川水系 大洞林道 | 平成 7年(1995) 初夏 | ・惣小屋沢で転落、泣く泣く林道を帰る・・・ | |
我ら爺連の熊除けの唄は・・・ | 浦山川水系 大久保谷 | 平成 7年(1995) 夏 | ・熊は恐ろしい、だから皺枯れ声を張り上げねばならぬ・・・ | |
納竿の儀は厳粛に・・・ | 滝川水系 豆焼沢 | 平成 7年(1995) 秋 | ・今年もお世話になりました。大滝の浅い壺に毛鉤を振る・・・ | |
直蔵淵は死人淵・・・ | 滝川水系 本谿 | 平成 9年(1997) 初夏 | ・古来、山人から“死人淵”と呼ばれた処。そして・・・今も尚・・・ | |
あぁ豪壮なり、和名倉ノ大滝・・・ | 大洞川水系 和名倉沢 | 平成 9年(1997) 夏 | ・杣道を踏み辿り辿り着くは壮絶な通ラズ、其処は天から水が・・・ | |
ミヨウキの大滝は陰鬱なり・・・ | 滝川水系 槙ノ沢 | 平成11年(1999) 初夏 | ・辿り着いた大滝は、化け物滝と呼ばる如くその陰鬱さに畏怖・・・ | |
霧のトーバク沢 | 滝川水系 トーバク沢 | 平成11年(1999) 初秋 | ・『素晴らしい滝を見に行くんです・・・』男は答えた・・・ | |
尾ノ内沢の鎖場は実に恐ろしい・・・ | 河原沢川水系 尾ノ内沢 | 平成12年(2000) 夏 | ・あの鎖場は高所恐怖症の身には、実に酷なところだ・・・ | |
アララギ平でまどろむ・・・ | 大洞川水系 荒沢谷 | 平成12年(2000) 初秋 | ・アララギ平は桃源郷・・・ | |
岩魚釣りが好きであろう二人の兄弟・・・ | 大洞川水系 本谿 | 平成13年(2001) 初夏 | ・秩父湖のバックウオーターで、またもや出会った二人の兄弟・・・ | |
行く手に大洞ダムの高壁が塞がりて・・・ | 大洞川水系 本谿 | 平成13年(2001) 夏 | ・難儀してセンジの通ラズを抜ければ、ダムの高壁が塞がる・・・ | |
和名倉沢の魚止メは何処・・・ | 大洞川水系 和名倉沢 | 平成13年(2001) 初秋 | ・悪絶な通ラズを巻き越えて、立ち塞がる高瀑の釜に毛鉤を振る・・・ | |
狢沢の魚止メは如何に・・・ | 中津川水系 狢沢 | 平成14年(2002) 初秋 | ・九十三四郎瀑は杣道で巻き越えて、岩魚の棲む限界を訪ねる・・・ | |
我ら爺達は胡乱な妖怪か・・・ | 入川水系 本谿 | 平成15年(2003) 初夏 | ・上流での釣りの帰り、東屋に若いショートパンツの女性達が居た・・・ | |
ミグロの通ラズを泳ぐ夢・・・しかし・・・ | 滝川水系 本谿 | 平成17年(2005) 初秋 | ・あの深い碧湛を水面から、高い高い岩壁を仰ぎ見てみたい・・・。 | |
金採り行・・・其の一話 | 中津川水系 小神流川 | 平成18年(2006) 夏 | ・古へからの語り伝えに「砂金」が滝壺に眠っていると云う。一攫千金を・・・ | |
金採り行・・・其の二話 | 中津川水系 小神流川 | 平成18年(2006) 初秋 | ・秋は彼岸の頃、金採りに向かった。金持ちになれるかと期待に胸は震えた・・・ | |
金採り行・・・其の三話 | 中津川水系 小神流川 | 平成18年(2006) 秋 | ・着いたぞ。難儀して腰まで水に浸かって、金の眠ると云う大渕に・・・ | |
金採り行・・・其の四話 | 中津川水系 小神流川 | 平成18年(2006) 秋 | 実に、人の慾得とは凄まじいばかりだ。 しかし・・・ | |
若葉の候の枯れ爺の欲情・・・ | 中津川水系 深沢 | 平成21年(2009) 初夏 | ・若葉の候は兎角。釣りの帰り、赤ちょうちんでの某爺の独り言に女将は・・・ | |
慾深く、金は有りやと・・・ | 中津川水系 桃ノ木窪 | 平成21年(2009) 秋 | ・江戸時代、平賀源内の金夢を探し辿って・・・ | |
惣小屋の山ノ神は、岩の上・・・ | 大洞林道 | 平成22年(2010) 晩秋 | ・山ノ神は詣でねばならぬ、捜し訪ねれば岩の上・・・ | |
学沢林道の初夏はうらら・・・ | 中津川水系 学沢 | 平成23年(2011) 初夏 | ・役目を終えて人の入らなくなった道、辿れば初夏うらら・・・ |