爺 我流てんから 私の釣り
私 の 釣 り
私の釣りは、
深山の流れに竿差そうとも、釣果を求めるものでも大物を釣り獲ることでも、
また、釣趣を求めるものでもありません。
奥深い細流で美しい景観の風情を楽しみ、棲む岩魚達と毛鈎で遊ぶ・・・と云った他愛のないものです
源流域の細流に遡り入って棲む岩魚を観察する。 釣漁欲はありません、云わば「岩魚ウオッチング」です。 | |||||||
目的は | |||||||
・其処の流れに岩魚は棲んでいるのか、棲んでいないのか・・・。 | |||||||
・どの様な岩魚なのか、此の秩父の地特有の純粋な地方亜種なのか、それとも交雑種なのか、それとも・・・、そして紋様は色刷きは・・・。 | |||||||
・其此の流れの渓相・環境は、魚止メは何処か、何故か、その理由は・・・。 | |||||||
・其の流れの景観を、味わい楽しむのも大きな目的の一つです。 | |||||||
したがって | |||||||
・向うのは、各水系の源流域だけで、五万分の一の地図上では水線の描かれていない山襞が殆どです。 | |||||||
・漁協の放流する渓流域・山女魚の棲む流域・交雑岩魚が棲むと認識されている流域・等に遡り入ることはありません。 | |||||||
・魚を殺生することは意中の外で、なるべく傷めないように…と注意も払います。 | |||||||
・魚を水から上げている時間を少なくして弱らせない為に、必ず携帯水槽を携行します。 | |||||||
・殆どの場合は、他人の意思意向を気にしないで自分のペースを守れる単独行です。 | |||||||
だから「てんから」毛バリ釣り | |||||||
・目的を叶える為には、その流れに岩魚が棲んでいるのならば、確実に釣り上げる必要があるのです。 | |||||||
・釣り上げて観察した岩魚は、できる限り痛めず傷つけないで解き放なたなければなりません。 | |||||||
・毛バリの見釣りとすることで、釣り上げたくない魚・釣る必要のない魚を見極めるて選別して釣ることが出来ます。 | |||||||
・鈎はスレバリを使います。返しのあるものを使う時は返しをとってしまいます。 |
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・釣り上げたくない時は、棒毛バリで遊びます。 | |||||||
・毛バリは自分で巻いたものを使います。 | |||||||
・道具立てを揃えてしまえば、都度に何の用意をすることもなく経費も掛かりません。 | |||||||
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そして、最も重要なことは、殆どが人の入らない資料の無い流れですから安全が第一です。万一の事が遭っても誰に縋ることはできません。 其の先が、滝か峡間のゴルジュか如何なっているのか判りません。熊も猪も出没するかもしれません。蝮や蜂も考えねばなりません。 天候が急変して雷雨になるかもしれません、霧にまかれるかもしれません、増水で戻れなくなるかもしれません。 必要以上の装備(お助け紐・10mザイル・熊除け鈴・発炎筒・応急用品・雨具・等々)は必要です。 そして、何より大切なことは己の体力と技量を知り、少しでも不安を感じたら勇気をもつて早めに撤収撤退します。 それと、其の日の天候は重要です。雨天時の強行や大気不安定との予報の時は出かけません。 |
此れは秩父の山塊に棲む地方亜種の奥武蔵タイプで、枝沢の細流に棲み魚長は約八寸と大柄ですが此の地域の特徴をよく現しています。 |
小渓で漠々として毛バリを流していると 突然に グイグイともの凄い引き “スワ 大物か・・・” と思いきゃ なんと 大蝦蟇が釣れてしまった時の自画絵です。 蝦蟇も毛バリを虫と間違えたのでしょうが 魂消たでしょうねェ。 マァ・・・ そんなこともあります。 |