てんから庵閑話 虫食い紋様は此の沢の特徴か

岩魚をさがして・・・

虫食紋様特徴か・・・
横瀬川水系 大持沢


此処は横瀬川の枝谷(支流の支流)の大持沢。
細い流れだが、岩魚の棲むに水量は充分だ。
気になるのは、下流域に高滝などの遡上止メが無いことで、
隔絶された環境が無いと、もしも交雑種等が放たれたら何処までも遡上してしまうからだ。


 流れに沿う殆ど踏まれていない杣道が沢に沿う。
丹念に釣り歩くと炭焼き跡の石組が在って郷愁。


更に歩くと、
朽ちた木梯子橋が横たわった先で杣道は薄々と不明瞭になり、
やがての後に消える。
そんな細流の中に棲む一匹の若岩魚。
身の丈は六寸五分の奥武蔵タイプの居付き。
白斑紋は明瞭でやや大きくほぼ黒い瞳より少し小さい、
側線下に柿色の橙斑紋、胸鰭・腹鰭・尾鰭の親骨も同色、
薄くパーマークが透けている。
頭部の紋様は意外にも虫喰い状で、
此の山域の原種とするには少々ためらう。

中流域に遡上止メの直滝があったので、
古に炭焼きの親父が持ち上げたものの子孫であろうか。
天変地異、人害にもめげず負けずに棲み続けてもらいたいもの。

さて・・・、此の沢は此処からが本番のようだ。
水量は岩魚が棲むに充分だし、杣道の踏跡は消えた。
今日は此処までとしよう、此の先に虫食い紋様の岩魚は棲むのだろうか。
先の上流域の探査が楽しみとなった。

                                             平成26年(2014) 盛夏.



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