爺　てんから庵閑話　釣らない棒毛バリ

釣らない 棒毛バリ


仕掛け巻き

深山に棲む岩魚は釣りたくはない。 無駄な殺生はしたくはないし、傷付けたくもない。 まして、厳しい環境に住む定岩魚なら尚更です。 　でも・・・ 此の流れに、岩魚が棲むのか棲まぬのか。 確かめてみたい。 どんな岩魚が棲んで居るんだろう。 拝み見てみたい。 　今度作った毛バリは、如何だろうか。 果たして、岩魚共の気に入るだろうか。 深淵から　石のエゴから、岩魚を誘い出してみたい。 作った毛バリに騙して喰いつかせてみたい。 ユラリと追い出た岩魚が喰いつくあの感動とスリルを味わってもみたい。 　そんな時に使います。 サテ　あの大岩の淀みに野郎は潜んで居ゃがるかナ オォ　赤ェのが出てきゃがった　出てきゃがった オッ　咥えやがった　　 アッ　持っていきゃがる コノ　野郎メ　引く　引く　そんなに急いで持って行くんじゃねェ アァ　オッ放しゃがったか 野郎メ　尺は　あったなｧ。 そんな釣らない釣りが、あってもいいと思うのです。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成１１年（1999）　春．

棒毛バリ

戻　る