漂泊の記 大河俣沢を巡る奥秩父林道、


中津川水系  大河俣沢奥秩父林道



秋、奥秩父林道から大河俣沢の源流域を望めば

奥秩父林道は何の為に造られたのでしょう、私には判りません。破壊され尽くした中津川の最も源流の大河俣沢までも破壊してしまった。
源流の谿を廻り山と谿とを寸断してしまいました。そして今は廃道化しているのです。ガレは流れ出し谿を埋めましたもう元にもどりません。
その林道を辿ってみれば、美しいパノラマは広がるのです。この道が踏み跡の杣道であったなら、もっともっと素晴らしいに違いないのです。

白岩を林道は開削して

  
中津川林道から奥秩父林道への分岐を進むと入車規制の
 ゲートがあります。
 大河俣沢の左岸高くを源流に向かって行きます。
 左手下に谿、奥に支流の白岩沢そして対岸に幾つもの滝を
 連ねてた果てに高い岩壁の中に水流は消える不思議な処
 “観音の股”のある観音谷が望めます。
 ザレた支流越えて本谿を橋で渡ると道は大河俣沢の南へと
 林道は回り込むのです。
 すると、白岩谷の名付けのもとの白岩の岩峰、此処を開削し
 て林道は通っているのです。
 暫く行けば小さな道標が在って「四里観音へ」と読み取れます。
 此の細い踏み跡を登り行くと栃本から十文字峠への登山道に
 合い出合いった直ぐの近くに四里観音避難小屋が在るのです。

   参考〜「奥秩父の岩魚の谷」 大河俣沢
 林道を終点に向うことにします。
 
林道入り口のゲートを出発してから3時間半ほどゆっくりと歩きました。
 道は既に廃道化して荒れています。何の為に通した林道なのでしょう。
 林道の終点で栃本から登り来た登山道に出合います。
 此処は赤沢山(1819m)から大山(1869m)へ至る鞍部で栃本からの登山
 道の三里観音と四里観音の丁度中間でもあるのです。


 

林道の終点から北面の大山沢を眺める

林道の終点から眺める南面の大赤沢谷

 
北方を眺めれば (上) 大山沢の全景で中津川から至って
 います。
 左に三国山 左に 天丸山中央が航空機事故の悲劇のあ
 った御巣鷹山です。

 南面を眺めれば目の下は大赤沢谷の全景、間近の尾根
 が連なってモミ谷の頭、凹んだ入川のむこうに破不山(2318m)
 の高嶺や雁坂峠・将監峠のタル遠く霞んだ向こうに大菩薩嶺
 その向こうに丹沢山塊が一望に出来るのです。
 とても眺めの良い処です。

  
林道の終点から石楠花の密生する中の十文字峠への登山道を辿
  れば大山の南面を巻いて45分ほどで此処の小屋に着きます。
  四里観音避難小屋です。
  釣りの時節には、入川上流の柳小屋に宿をとり一日かけて股の沢
  をゆっくりと釣り遡って此処を二日目の宿と定めます。
  手入れの行き届いた小屋で静かな林の中に在るのです。
  何時の時も同宿者は居なく静か過ぎる程の夜が過ごせるのです。
  そして、朝にコーヒーを沸かし飲んで大赤沢谷を下るのです。
  (注 柳小屋〜股ノ沢〜四里観音小屋〜大赤沢谷〜入川のルート
   は一般的ではありません)


                      
平成13年(2001) 秋.
  

陽だまりの四里観音小屋


逍遥 時間     奥秩父林道入り口ゲート〜四里観音への登り口= 1時間45分     四里観音への登り口〜林道終点= 45分
            林道終点〜四里観音避難小屋=45分

帰途 時間     四里観音避難小屋〜奥秩父林道= 30分                林道の分岐〜林道入り口ゲート=1時間30分 



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