爺 漂泊の記 大洞林道を惣小屋沢へ、
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何の為の林道、堰堤を設ける工事道か 林道が山を削りそして峪は荒れるのに 作っては崩れる堰堤に惣小屋沢の下流域は死んだ。 だけれども人の気の無い林道を巡れば 眺める バラクチ 白岩 東仙波、流れる谷峪はとても美しく 秋は錦織の山峪に酔うのです。 |
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惣小屋沢の出合いへ向かう分岐、 荒沢橋の袂の広場には何時も車が何台かは停められています、 春には山菜採りに 沢屋さん そして釣り人の車と、此処の広場は 其々に山や峪を楽しむ人々の基地ともなっています。 林道は更に奥地へと続いているのですが此処の直ぐの先にゲート があって一般の車両は進入はできません 数年前に此処に熊が出 たこともあるのです。 大洞橋上からは大洞川の流れに荒沢谷の出合いが望めます。 ところどころに崩落が林道筋を埋めています 落石で頭上には注意 してまいりますります、大洞の流れに合わせて屈曲した途からの眺め は気持ちのよい風景です。 堰堤を構えた仁田小屋沢を見送ると対岸はバラクチ尾根からの崩 落。そして道は小さな分岐で細道が下に向かって続きます、惣小屋 沢の出合いへ降りる途筋です。 道は此処からグイと曲がって谷筋から松葉沢を巻く為に離れます。 |
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松葉沢を見送ると林道は荒れてきて、 林道は大洞本流を少し離れて松葉沢を見送ります。 道筋は荒れが出て来て頭上に足元に注意し乍進みます、 躓いて転べば100mもの遥か下の惣小屋沢に落ちるので す、でも大洞橋のゲートを越えて原付バイクでこの先まで 進み行く強ものの釣り人も居るのですから驚きます。 行く手には前仙波や東仙波が望めてきます。 |
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見下ろせば 遥かに大洞谷と惣小屋沢の出合い、 大きく屈曲して松葉沢を見送り過ぎれば少しの急登、 登れば気象観測塔が在って道は平坦になって作業場 ワイヤーロープが対岸の尾根筋へ渡っています 何年もの前 堰堤の構築に盛んに資材を遥か下の惣小屋沢に降ろしてい ました。 その遥か下を眺めれば惣小屋沢の流れに左手から大洞谷が 合って奥秩父の主嶺から伸びてきたバラクチ尾根が重厚に前 に広がっています。 その昔に林道が造られる以前には此処大洞谷に 2尺の岩魚が 遊ぶときいて荒沢橋から取り付いてバラクチ尾根へのぼる本線 を喘ぎつつ訪れたものでした、随分の前のことになりました。 |
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対岸を眺めると 鹿の楽園と呼ばれるタル、 惣小屋沢の向こう、対岸を眺めれば“鹿の楽園”と呼ばれる 鞍部が目の前に、大洞谷のキンチヂミのある通らずを避けて 井戸沢へ向かう苦労途がある処。 この辺りはとても鹿の多いところ、いまも何処かで“ピーピー”と 鳴き声が聞こえています、この辺りの鹿達は何故か人馴れして いて距離を置いてですが闖入者を眺めにまで来るのです。 |
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林道は開削した岩壁の下を、 林道は岩峰を開削して続く、其の風景は美しくもあり また・・・。 だけれども、此処の辺りの四周の眺めは素晴らしいのです。 |
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林道上部は崩壊が進む、 自然に逆らって道を造っても自然は此れを否定する。 山は崩落して荒れ遥か下の惣小屋にまで及ぶ、そして其のガレ を止める為に堰堤を又も築くのです 不思議な人の営みです。 フッと疑問も感じてしまうのです。 此処の場を回り行くともう直ぐに終点地になるのです。 |
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林道の終点は心地良い広場、 林道の終点地です、工事最中には作業小屋やブルトーザー が置いてありました、今は平坦な広場になっています。 昼寝をしたくもなる心地良い処で“広窪”と呼ばれる処です。 惣小屋沢へ降りるのは丸太の転がっている処から入れば直ぐの 下。しかし降り立つ峪は瀑流に近い谷相、遡行に難儀な処です。 此処を嫌うなら、正面の奥から僅かな踏み跡で小尾根を越える のです。 しかし、美しくも悪谿が惣小屋沢の持ち味なのです。 |
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林道終点付近から惣小屋沢の上流を望む、 さて、少し休んだら惣小屋沢へ降りましょうか。 岩魚達と出逢いに・・・。 我は小尾根を越えて行くことに致します。 この峪は険峪と呼べずに悪峪です 心してまいりましょう。 人の入ることの少ない峪なのです。 今宵は、悪い峡間を大高巻いてから焼小屋沢との出合 いあたりで一夜の夢を見ることになるのでしょうか。 平成12年(2000) 夏. |
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逍遥 時間 大洞橋〜松葉沢= 1時間 松葉沢〜林道の終点= 1時間 |
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帰途 時間 林道の終点〜大洞橋= 1時間15分 | |
追 記 惣小屋沢の下流の堰堤工事も此処十年以上は築堤されていません。使われなくなった林道はいよいよ崩落も進みました。 今では、大洞橋を渡ると山側は落ちて岩ガレが道を埋めて谷側は道を抉っています。通行には頭上足元に充分注意しましょう。 平成21年(2009) 秋. |