漂泊の記 大洞林道支線のソゲ岩は何処・・・。


大洞川水系 大洞林道支線ソゲ岩何処・・・


大洞谷の左岸、大洞林道支線の“ソゲ岩”の名の岩壁、いったい本当は何処なのでしょうか。

上の図をご覧いただきましょう。
大洞川が仙波尾根の末尾を挟んで支流の惣小屋沢を分け合わせる上流の大洞谷、
大洞谷は川胡桃沢の出合い辺りから栂ノ沢の出合いの間、男の一物が恐れ慄き縮み上がるから“キンチヂミ”の名の悪場があるのですが・・・。
その悪場を通過するのを敬遠して左岸高くにキンチヂミの上流の井戸沢へ降り立つ巻き道があります。
その巻き道は途中から将監峠へと向う古への大洞林道支線から「鹿の楽園」と呼ばれる鞍部から分岐してきた途なのです。

さて、その大洞林道支線は惣小屋谷の出合いから登り辿るのですが、
井戸沢へ降り立つ途中に大洞谷に面して百メートル以上もにそそり立つ岩壁が図示のようにA・B・Cと三箇所あります。
その三箇所の岩壁のどれが“ソゲ岩”なのか…と云うことなのです。

A がソゲ岩である、と云う説。
  河野寿夫氏
 「痩せ尾根を木に掴まり登ると岩稜に出る 一帯はソゲ岩と呼ばれ遥か下に轟々と唸る沢音が聞え凄まじいばかりである。が異説もある。」

B がソゲ岩である、と云う説。
  原全教氏
 「川胡桃沢出合いから険悪の相を発揮する 入口と云ふべき右にはソゲ岩と云ふ大岩壁が屹立し山の神が祀られてある。」

C がソゲ岩である、と云う説。
  秩父通誌(に書してあると―未確認)
 「途筋の覗き岩の痩せ岩峰を行く・・・尾根に登り返すと林道の分岐、山 の神が祀られてあり更にソゲ岩の岩峰を行く。」

そうです、三つの説があるのです。
きっと、其々の書かれた方が地元の人に聞き記したのに違いありません。

私はサイト内(辿る谿)の大洞谷の概念にCの説を採りました、が特段の根拠はありません。
何故にこの様なことを此処に書いたかと云えば、時々『お前、場所が違うだろう』とご指導いただくからです。
私は本当のことを知りません。
そして、本当は何処なんだ・・・
先日も、早春の大洞林道の支線を歩き“さても…さても…”と思案に暮れました。

                                                平成18年(2006) 早春.


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